■ 冬川に潜りを競う黒き鳥
( ふゆかわに もぐりをきそう くろきとり )
ただ、数年前に水底の大がかりな浚渫(しゅんせつ)工事が行われたせいか、水鳥の勢力に少し変化が見られる。
それは、真鴨(まがも)、緋鳥鴨(ひどりがも)など明るい色の鳥が少なくなった反面、金黒羽白(きんくろはじろ)、大鷭(おおばん)、川鵜(かわう)などの黒い水鳥が多くなってきたことである。
特に大鷭などは、2年前までほとんど見ることがなかったが、最近急速に増えてきて、この近辺では最大の勢力になってきている。
ところで、この3種類の水鳥、後述するように科属が全く違うが、色が黒い他にもう一つ共通点がある。それは、いずれも水に潜るのが得意だということ。
見ていると、ひょいと水に潜り暫く浮いてこない。多分水底の藻などを採っているのだろう。この潜る能力が、勢力を広げている要因なのかもしれないが、確証はない。
本日の掲句は、そんな様子を見て詠んだ句である。この寒い時期に潜るなんて大変だろうと思いながら詠んだ。「冬川」は冬の季語。 (各鳥の季語分類は後述。)
以下には、それぞれの鳥について、その特徴、写真および過去に詠んだ句を参考まで掲載する。
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【金黒羽白】 (きんくろはじろ)
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幾たびも潜る羽白や冬の川
冬川に潜りては浮く潜り鴨
冬川に潜りては浮く潜り鴨
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【大鷭】 (おおばん)
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冬川に番長のごとく大鷭
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【 川鵜 】 (かわう)
薄日さす枯木に憩う川鵜かな
冬川に羽を乾かす川鵜三つ