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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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葉牡丹を植えて園生の年用意

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■ 葉牡丹を植えて園生の年用意 
                       ( はぼたんを うえてそのうの としようい )


イメージ 1先週の土曜日、例により2週間ぶりに植物園に行ってきた。予想通り園内は閑散としていて、花はほとんど咲いておらず、花壇がところどころ掘り起こされていた。

そんな中目立ったのが、やはり「葉牡丹(はぼたん)」である。ご承知の通り、葉牡丹は花ではなく、葉が渦巻き状に重なり、艶やかな牡丹の花のようになる。(名の由来。)

例年のことだが、この時期は、この葉牡丹が植物園の主役を演じる。実のところ、毎年そんな状況を見て以下のような句を詠んできた。

 葉牡丹が主役となりぬ花の園

 葉牡丹が代役務む花の園


本日の掲句も、あまり変わり映えしないが、年末の「年用意(としようい)」にかけて詠んだ。


「年用意」とは、新年を迎えるために、掃除・注連縄(しめなわ)張りなどの準備をすることだが、植物園においては、花壇を葉牡丹などで飾ることも一つの年用意となる。

尚、「葉牡丹」「年用意」が共に冬の季語なので本句は季重なり。

イメージ 2因みに、葉牡丹に関しては、その他にも以下のような句を詠んでいる。

    【関連句】
     ① 葉牡丹の葉色葉並び葉振り良し
     ② 葉牡丹の渦にきらめく滴みゆ

イメージ 3①は、葉牡丹は葉色、葉並び、葉振りが良いと詠んだものだが、人の美容の要素である歯色(ホワイト)、歯並びに加え、羽振りの良さに言葉をかけた。
②は、葉牡丹が日に当たり、葉の滴(しずく)が光っているのを見て詠んだ句である。

イメージ 4葉牡丹は、アブラナ科アブラナ属の多年草で、キャベツやブロッコリーの仲間。江戸時代から正月飾り(門松の添え物など)として親しまれている。

「紅白の色合いがおめでたい」「幾重にも重なる葉は吉事が重なることに通じる」というのが使用されている理由らしい。

イメージ 5冬の間は観賞用として花壇に植えられているが、 2月頃から中央部がだんだん盛り上がってきて、4月頃からその先端に菜の花に似た花をつける。しかし、観賞の対象とはされず、大抵薹(とう)が立つ前に処分される。ただ、近年はそれを残して愛でる人も多いとのこと。

葉牡丹は葉がキャベツにそっくりなので、「花キャベツ」という別名もあるが、実際食べることができるのか。ある人の説では、「固くてまずい」「園芸用農薬が使われている」などの理由で、食べることはできるが食べない方が良いということだった。

イメージ 6「葉牡丹」を詠んだ句は結構多い。本ブログでも以前に何句か掲載したことがあるが、今回はそれ以外のものを選んで掲載した。

    【葉牡丹の参考句】
     葉牡丹にうすき日さして来ては消え (久保田万太郎)
     葉牡丹に植ゑ替へられし港かな   (黒田杏子)
     葉牡丹に午後の人出の駅広場    (若倉文子)
     葉牡丹の渦に吉凶ありにけり     (内藤みのる)
     葉牡丹の螺旋ぶるぶる狂ふかな   (櫂未知子)

イメージ 7

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