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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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空青く名のみの春も嬉しかり

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■ 空青く名のみの春も嬉しかり
               ( そらあおく なのみのはるも うれしかり )
 
昨日は立春の日で、朝は曇っていたが、昼からは透き通るような青空が見えてきた。風は少しあり、その空からほんの少し白いものが降ってきた。まだ空気は結構冷たい。それでも、春ということで、心の方は何となくうきうきする。本日の掲句はそんな気持ちを詠んだ句である。本句では「春」が季語。

イメージ 1ところで、「名のみの春」ということで、唱歌「早春賦」を思い出された人も多いのではないだろうか。実のところ本句は、それを意識して作った句である。その歌詞を以下に掲載したのでご覧いただきたい。
 
        早春賦
                      作詞者 吉丸一昌
                      作曲者 中田章
 
  春は名のみの 風の寒さや
  谷の鶯 歌は思えど
  時にあらずと 声も立てず
  時にあらずと 声も立てず
 
  氷融け去り 葦は角ぐむ
  さては時ぞと 思うあやにく
  今日も昨日も 雪の空
  今日も昨日も 雪の空
 
  春と聞かねば 知らでありしを
  聞けば急かるる 胸の思いを
  いかにせよとの この頃か
  いかにせよとの この頃か
 
この歌は、多分中学か高校で習った歌だと思う。こういう唱歌の歌詞を改めて読むと、こんな内容だったのかと時々驚かされる。例えば、早春賦の冒頭に出てくる「名のみ」が「何の実」なんていいかげんに覚えていた。「名のみ」とは、「名ばかり」という意味だとずっと後から知った。

また、この歌の詞が、しっかりと七五調になっていて、早春の情景が実に抒情的に描かれている。音楽の時間には、歌詞の詳しい説明はなかったような気がするが、今になって漸くその内容を噛みしめることができるようになった。
 
イメージ 2
 

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