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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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学び舎の試験控えて寒桜

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■ 学び舎の試験控えて寒桜
    ( まなびやの しけんひかえて かんざくら )
 
まだまだ寒い日が続き、春の花はまだ先のようだが、先日ある大学の横を通った時に塀越しに桜が満開になっているのを見た。満開と言っても花弁の小さな寒桜である。ただ、学校は休みで見る人は誰もいない。時期的には、そろそろ入学試験がある頃だ。

イメージ 1本日の掲句は、そんな寒桜を見て詠んだ句である。試験が終わり、晴れて入学式がある頃は、丁度、春の桜が満開になるが、入試のあるこの時期、寒桜が咲いていたとは・・・。「寒桜」は、「冬桜」とともに冬の季語。

因みに過去には「冬桜」で以下の句を詠んでいる。

 関連句:塀越しに春の華やぎ冬桜

ところで、「寒桜」と「冬桜」は、厳密にいうと全く違う種類のものだが、俳句では、ほとんど無視あるいは混同されて使われている感じである。かくいう自分も、その違いを調べて見たが、結構ややこしいので、その言葉のイメージから冬に咲く桜全般を「冬桜」、特に寒の頃に咲く桜を「寒桜」として句を詠んでいる。
 
桜のことをよく知っている人からすれば、イメージが違うと思われるかも知れないがご容赦願いたい。

尚、参考までに、冬から初春にかけて咲く桜について、ネットの情報などをもとに整理してみた。ただ、実際に花を見ても、区別するのはかなり難しい。(写真の花は、たぶん不断桜だと思うが?)

【冬から初春にかけて咲く桜」】
●冬桜:11月~12月と4月の二度咲き。白色~淡紅色で一重咲き・小輪。別名小葉桜。
●十月桜:10月~1月と3月~4月の二度咲き。花弁が5枚から18枚。八重咲きが多い。
●子福桜:十月桜と支那実桜の雑種。開花は十月桜と同様。花弁が20枚~30枚と多い。1つの花から2つ以上の実をつけるので、この名に。
●不断桜:9月~翌年5月まで開花。一重咲きの白色。秋頃から春まで咲き続ける。
●河津桜:2月上旬開花。一重咲き、濃いピンク色の花びらが特徴。
●寒桜:3月上旬開花。花は淡紅色の一重咲き。緋寒桜と山桜の雑種と推定されている。
●緋寒桜(寒緋桜):3月中旬開花。花は小輪、一重咲きで緋色・濃桃色。

    【寒桜、冬桜の参考句】
     山の日は鏡の如し寒桜         (高浜虚子)
     うつし世のものとしもなし冬桜     (鈴木花蓑)
     花びらのちらりと小さき寒ざくら    (石原舟月)
     冬桜海に日の射すひとところ     (岸田稚魚)
     寒桜淡きいのちを宙に揺る      (三宅一鳴)
 
イメージ 2


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