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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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■四万十川 二句

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■ 四万十川 二句

     ○ 四万十の岸壁高く舞う蛍     
                 ( しまんとの がんぺきたかく まうほたる )
     ○ 四万十の出水に耐えて沈下橋 
                 ( しまんとの でみずにたえて ちんかばし )


イメージ 1四国旅行初日は、昨日記事にした「中津峡谷」を訪れた後、四万十(しまんと)市内のホテルに荷物を置き、四万十川ほとりの遊覧船乗り場へ行った。

ここで蛍を見る予定なのだが、先ずは、屋形船に乗り弁当を食べる。そして8時頃になると船内の灯りが消された。

すると川岸付近にいくつも光るものが見えた。船内では、あちらにも、こちらにも、あんなに高いところにも、という声が飛び交い、しばし、蛍の乱舞に見とれる。

本日の掲句の第一句は、その時の様子を詠んだもの。四万十川の岸壁は高く黒々と見えたが、そこに数十匹の蛍がふわりふわりと無造作に飛んでいた。

おりしも上空には満月と木星が見え、中洲からは河鹿(かじか)など蛙の声が聞こえてきた。真に幻想的な一時だった。「蛍」は夏の季語。


*蛍の写真は撮れなかったので、場所の雰囲気だけでご容赦のほどを。
                                            

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イメージ 3翌日は、ホテルを出た後、同じ船着き場に行き乗船。今度は明るい四万十川を見ることになるが、ここで「沈下橋(ちんかばし)」という橋の謂れを知る。

イメージ 4実は、この四万十川は洪水が非常に多い河川で、平成17年9月には台風14号により水位9.86mを記録したとのこと。

イメージ 5これは現在岸辺に建てられている建物や近辺の道路を飲み込むほどの高さで、その印が道路沿いの法面(のりめん)に記されていた。(上写真の最上部印の位置)

イメージ 6沈下橋は、この洪水に何度も遭遇したことから考案された橋。よく見れば気付くと思うが端から端まで欄干がない。

これは、欄干に木などが引掛り水の流れが悪くなることを防ぎ、更なる川の氾濫を避けるための工夫。また、大洪水で橋が水中に「沈下」することを想定し、水の抵抗を受けにくくした。


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第二句は、そんな沈下橋の謂れを知り詠んだ句。「出水」とは梅雨どきの集中豪雨によって河川の水かさが増し氾濫することで、夏の季語。


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【四万十川】
四万十川はかつて渡川と呼ばれていたが、「日本最後の清流・四万十川」とテレビで紹介されたことをきっかけに平成6年に現在の名前に変更された。全長196km、四国内で最長の川。

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【沈下橋】
下橋は四万十川の本流に22本、支流を含めると47本あるとのこと。日本には他に徳島県、大分県、宮崎県にもあり総数で約400本あると言われている。徳島の吉野川では「潜水橋」と呼ばれている。

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