■ 川端に赤黄緑の青木の実
( かわばたに あかきみどりの あおきのみ )
青木は、一年中艶のある青(緑)の葉を茂らせていることから、生命力が強く縁起の良い木とされており、庭木や生垣、街路樹として様々なところに植えてある。
先日、その青木が、ある川端に植えられていて、沢山の実を付けているのを見た。よく見ると、赤色、黄色、緑色など様々なものが入り混じっていて、赤一色とは違った風情があった。
本日の掲句は、そんな様子を詠んだ句である。尚、青木の実はその成熟過程で緑色→黄色→橙色と変化し最終的には全てが赤くなる。青木の実は冬の季語。
因みに、「青木の実」に関しては、過去に以下の句を詠んでいる。
【関連句】
① 薄日さし青木の赤き実艶光る
② 参道に赤き青木の実のうれし
① 薄日さし青木の赤き実艶光る
② 参道に赤き青木の実のうれし
③ 信号のようだね赤と黄色の青木の実
②は、ある寺の参道で、この年初めて青木の実を見た時のことを詠んだもの。下五の「うれし」は「嬉し」「熟れし」をかけた。
③は、赤色と黄色の実、それに青木の青色を加えれば信号のようだと詠んだもの。本日の掲句の元となった。
雌雄異株で、3月~5月に、それぞれ赤褐色の4枚弁の雄花、雌花をつける。しかし、花が小さく目立たないため見たという人は少ないように思う。 (下写真参照)
*雄花 *雌花
尚、雌株は11月から3月にかけて実を結ぶが、近くに雄株がない場合は結実しない。従って、果実についても見たことがないという人が意外と多い。
【青木の実の参考句】
発心の紅さしそめし青木の実 (森澄雄)
雪の上又降る雪や青木の実 (遠藤梧逸)
これよりの色染め分けて青木の実 (遠藤 はつ)
青木の実神域しんと澄みわたり (高澤良一)
青木の実寡黙なるとき吾が血濃し (岡本眸)
青木の実神域しんと澄みわたり (高澤良一)
青木の実寡黙なるとき吾が血濃し (岡本眸)