Quantcast
Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1553

たおやかに咲く寒蘭に誉れあり 

$
0
0
■ たおやかに咲く寒蘭に誉れあり 
                                        ( たおやかに さく かんらんに ほまれあり )

イメージ 1昨日は、例により2週間ぶりに植物園に行ってきた。先週末取り上げた「パパイヤ」は、まだ幹に沢山の果実をつけていて、2週間前よりも更に大きくなっていた。

花に関しては、以前から咲いている菊、コスモス、薔薇などが見られたが、特に目新しいものはなかった。

ただ、この時期に毎年開催されている「寒蘭展」が丁度開催されていたので、とりあえずは展示室に入った。

目に入ってき
たのは、ずらりと並べられた鉢植えの寒蘭(かんらん)。いずれも茎をすらりと伸ばし、何とも奥ゆかしい感じの容姿をしていた。

イメージ 2






実は、昨年もこの「寒蘭展」を見て、以下の句を詠んでいる。

   寒蘭の奧もゆかしき容かな 
                   *容(かたち)=容姿

中七で使った「奧もゆかしき」は「奥ゆかしい」を強調して使った言葉。「奥深く上品で心がひかれる」という意。

イメージ 3







ところで、展示を見ていて、ふと疑問に思ったのは、カトレヤ、胡蝶蘭など非常に派手な洋蘭に比べ如何にも地味な寒蘭。こういう蘭は欧米ではどんな評価なのだろうということ。

主催団体の担当者に聞くと、寒蘭は春蘭(しゅんらん)などともに東洋蘭を代表するもので、それらを愛ずる文化は日本独特のものだそうだ。(多分欧米にはない文化ということか?)

また、大正時代頃から成金趣味と関わりが深く、投機の対象となることもあったとのこと。そのためはやり廃りに応じて価格の激しく上下に動き、最高値の時期には一鉢100万円を軽く越えるものもあったそうだ。

尚、現在では数千円で購入できる例もあるが、高価なものは数万円する。

イメージ 4本日の掲句は、そんな寒蘭を見た時の印象とその由来を関連させて詠んだ句。「寒蘭」は冬の季語。

【たおやか】 しなやかで優しいさま。女性の姿や舞いの動作などについて言うことが多い。漢字では、「嫋やか」と書く。

【誉れ(ほまれ】 誇りとするに足る事柄。また、よいという評判を得ること。名誉。

イメージ 5寒蘭は、ラン科シュンラン(シンビジウム)属の多年草。原産地は日本、台湾、中国南部など。日本では本州の静岡県以西から四国、九州に分布。産地により土佐寒蘭、日向寒蘭、紀州寒蘭などに分類される。

花期は10月~1月。花は、葉っぱが変化した萼3枚と、花びら3枚を付ける。花色は、白、青、紅、黄など多様。
当初は葉を楽しむことが多かったようだが、後に花色の豊富さに目がむけられるようになる。昭和初期には愛好会もでき、展示会が各地で開かれるようになった。

イメージ 6寒蘭を詠んだ句はあまりないが、ネットで見つけた句をいくつか以下に掲載した。

    【寒蘭の参考句】
     寒蘭を座右に愛して太郎月      (富安風生)  
*太郎月:1月の異称
     寒蘭の香と日溜りにあそびをり    (福田甲子雄)
     寒蘭の一茎に灯のともさるる     (青柳志解樹)
     寒蘭のもらわれて行く夜汽車かな (泉美予子)
     寒蘭に障子の明かり届きけり     (高原桐)

イメージ 7

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1553

Trending Articles