■ 久々に晴れて古寺の薄紅葉
( ひさびさに はれてこでらの うすもみじ )
この寺は、紅葉が美しいことで有名な寺で、シーズンになると多くの人が訪れる。
本格的な紅葉は、まだまだ先のようだが、とりあえず、ほんのり色づいているのが確認できた。
本日の掲句は、そんな状況を詠んだ句である、「薄紅葉」は秋の季語。
ところで、紅葉・黄葉はどのようにして起こるのか。これまで何回か本ブログでも記事にしたことがあるが、参考まで再掲する、
●葉に含まれる色素には緑色のクロロフィル、黄色のカロチノイドがある。量はクロロフィルがずっと多いので、通常の葉は緑色に見える。秋、気温が低くなるとクロロフィルが分解されカロチノイドの色がめだってきて黄色になる。これが黄葉のしくみ。
●一方、紅葉する葉では、落葉前に葉に残った糖から赤い色素アントシアニンができて葉は赤くなる。このアントシアニンの合成には、温度と光の条件が重要で、1日の最低気温が8℃以下になると紅葉が始り、5~6℃以下になるとぐっと進むといわれている。
●鮮やかに紅葉するには、日中の気温は20~25℃で夜間は5~10℃になり、昼夜の気温の差が大きいこと、空気が澄んで葉が充分日光を受けられることや、大気中に適度な湿度があって葉が乾燥しないことなどが必要だとのこと。
現在は、急激に寒くなってきたとは言え、平均気温は15℃以上。最低気温も10℃を「切ることはない。紅葉は早く見たいが、寒いのもかなわない。ゲーテのごとく悩ましい。
話は戻って、「薄紅葉」については、過去に以下の句を詠んでいる。
【関連句】
① 山鳩の声はるけしや薄紅葉
② 旅行生桜紅葉はまだ薄き
①は、ある朝の散歩時に詠んだ句。薄紅葉を見ながら散歩していると、遠くから山鳩の鳴き声が聞こえてきた。
②は、10月下旬頃に詠んだ句。この頃、京都には修学旅行生が沢山訪れるが、まだ紅葉は薄いと詠んだもの。学生と桜があっていると思い敢えて「桜紅葉」とした。
「紅葉」に関連する句は非常に多いが、以下には「薄紅葉」を詠んだ句をいくつか選んで掲載した。(過去に掲載したものを除く。)
【薄紅葉の参考句】
真青なる紅葉の端の薄紅葉 (高浜虚子)
薄紅葉櫨が入日に枝をのぶ (水原秋櫻子)
鴨池につき出し山の薄紅葉 (高野素十)
宇治川に映れる山の薄紅葉 (池内たけし)
羅漢寺の障子あきをり薄紅葉 (高橋淡路女)
薄紅葉櫨が入日に枝をのぶ (水原秋櫻子)
鴨池につき出し山の薄紅葉 (高野素十)
宇治川に映れる山の薄紅葉 (池内たけし)
羅漢寺の障子あきをり薄紅葉 (高橋淡路女)
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