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Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
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年明けは知らず野良は今日もお休み

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■ 年明けは知らず野良は今日もお休み
                         ( としあけはしらず のらはきょうも おやすみ )
 
京都の東山の麓に疎水が流れており、その川沿いに「哲学の道」という小道が通っている。この小道は、銀閣寺の参道から約1.5kmの長さで、南の終点は若王子(にゃくおうじ)神社。昨日は、その哲学の道を南下し、その神社へ行く少し手前の道沿いで面白い光景を目にした。
  
イメージ 2そこには、何年も前から廃墟のようになっている、その名も「若王子」という喫茶店がある。入口には、駅の案内板のような立て看板があり、その横に可愛い馬車のようなワゴン車が宙に浮いた感じで設置されている。

その荷台に、昨日は数匹の野良猫が体を寄せ合って寝ていた。思わず噴き出したのは、その横には「本日は休ませて戴きます」という看板が吊るされていたのを見た時である。

本日の掲句はその時に詠んだ破調の句である。野良猫にとっては、年明けも正月も関係ないようだ。そんな感じで詠んだものだが、どちらかというと写真を投稿するために敢えて詠んだ句である。「年明け」は新年の季語。

尚、この喫茶店は、ネットで調べると、1970年、NHKで放映された「燃えよ剣」の土方歳三の役を演じられた俳優の栗塚旭さんが経営されていたそうだ。、開業当時(30年以上前?)は有名人が経営する店として大変話題になったとのこと。休業されたのは十数年前。

一方野良猫だが、この辺り一帯には十数匹住んでいて、時々誰かが餌を与えているようだ。ワゴン車のクッションも誰かが置いたものだろう。住みだしてから、もうかなりの年月が過ぎていると思うが、今のところ駆除もされず、何とか生き残っている。

   【新年等の参考句】
    正月の子供になりて見たき哉      (小林一茶)
    新年の上野寂莫と鴉鳴く        (正岡子規)
    元日や吾新たなる願あり        (夏目漱石)
    元日や手を洗ひをる夕ごころ     (芥川龍之介)
    只の年またくるそれでよかりけり   (星野麥丘人)

 
イメージ 1

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