Quantcast
Channel: 写真・俳句ブログ:犬の散歩道
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1553

芽柳やふさふさ揺るる日も近し

$
0
0
■ 芽柳やふさふさ揺るる日も近し
                       ( めやなぎや ふさふさゆるる ひもちかし )
 
鴨川の河畔には、たくさんの枝垂柳(しだれやなぎ)の木が植えてあるが、その柳の芽も膨らんできて、少しずつ緑を帯びてきている。まだ、葉が生え、花が咲く段階ではないが、近いうちに、枝全体を緑で被って、春風に揺れる日が来ることだろう。

イメージ 2掲出句は、そんな情景を見て詠んだ句である。この芽柳を見ていて、ちょっと不謹慎ながら、髪の毛の薄い人を思い出し、中七の「ふさふさ」という言葉が出てきた。「芽柳(めやなぎ)」とは、「早春、芽の萌え出ようとする柳」のことで、「芽張り柳」、「芽吹き柳」「柳の芽」とも言い、春の季語になっている。

尚、「柳」は単独では春の季語になるが、身近な植物でもあることから、夏には「葉柳」、秋には「柳散る」、冬には「枯柳」が季語となる。

因みに、過去には、3月中ごろの柳を見て以下の句を詠んでいる。この頃には、新芽が綻び、細くて長い葉が生え、花穂も伸びてきて全体が浅みどり色になっている。

関連句: 枝そろえなびく柳は浅みどり

柳は、ヤナギ科ヤナギ属の樹木の総称だが、一般的には枝垂柳(しだれやなぎ)をさす。原産は中国で、奈良時代に渡来したそうだ。古くから庭園樹や街路樹としてよく用いられており、これを題材とした歌や詩も多い。

柳の語源については、この木で矢を作ったので「矢の木」といい、 「やのき」→「やなぎ」へと変化したとする説が有力だが異説も多い。枝垂柳は文字通り、枝が長く、垂れ下がっている柳ということでつけられた。別名で「糸柳(いとやなぎ)」ともいう。

    【芽柳の参考句】
     芽柳の雨や個展の早仕舞ひ        (石田波郷)
     芽柳の触れむばかりに渡舟着く    (田中蘇水)
     芽柳の零す雨滴のうすみどり      (城戸緑)
     芽柳のみどり煌めく瑞枝かな        (倉橋千代子)
     芽柳や傘さし上げてすれ違ふ        (満田春日)
 
イメージ 1

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1553

Trending Articles