■ 先駆けの紅梅一樹香る蕊
( さきがけの こうばいいちじゅ かおるしべ )
昨日は、久しぶりの快晴。気温も10度近くまで上がり比較的暖かかったので、昼過ぎに京都御苑の梅林に行ってきた。一本の紅梅の木には、沢山の花が咲いていたが、その他の梅木に咲いている花は僅かだった。
ところで、梅の句といえば思い出すのが、以下の句である。
白梅のあと紅梅の深空あり
(飯田龍太) *深空(みそら)
この句によれば、紅梅が咲くのは白梅のあとだということだが、昨日見てきた状況とは違う。本当のところどうなのか。少し調べてみたところ、紅梅は白梅の1週間ほど後に咲くという記載があった。
ということは、昨日見たのは、寒中に咲く寒紅梅なのだろうか。梅の種類についても調べてみたが、多すぎてよく分からない。とりあえず梅は、寒紅梅、白梅、紅梅という順で咲くということにしておこう。
ちなみに、これまで作った梅の句としては以下のものがある。
【関連句】
① 早咲きの紅梅に寂しさもあり
② 梅に雨梅雨はまだまだ先のこと
③ 梅林の梅皆美しく目立たざり
①は、梅が数十本植えてある梅林で、ただ一本だけ花を咲かせている紅梅に、何となく寂しさを感じたことを詠んだ2月初旬の句。②は、梅の雨と梅雨(つゆ)をかけたもの。③は、①と同じ梅林で3月中旬に詠んだ句。数十本の梅が満開になり、どの梅も美しいのだが、強く印象に残るものはなかったことを詠んだ。梅は桜と違って、まとまって咲くよりも、数本ぐらいで咲くのが良い。
【梅の参考句】
梅一輪一輪ほどの暖かさ (服部嵐雪)
しら梅に明くる夜ばかりとなりにけり (与謝蕪村)
梅咲けど鶯啼けどひとり哉 (小林一茶)
暮れそめてにはかに暮れぬ梅林 (日野草城)
白梅に海見えぬ日の海恋し (石橋秀野)