■ 艶やかに色香乱るる春の蘭
( あでやかに いろかみだるる はるのらん )
今日も先日行った植物園からの記事である。常設の「観覧温室」には、ラン科の植物を集めた「ラン室」がある。そこには、何十種類もの蘭(らん)か植えてあり、いつ行っても花が艶やかに咲いている。
ところで、ラン科の植物の種類は非常に多く、野生種だけでも15,000種~20,000種あり、園芸種も入れると途方もない数になるそうだ。一説には地球上の植物の1割がラン科植物と言われている。
花の形は、桜やツツジなどのように円くはなく、非常に複雑で、種類によってもかなり違って見える。しかし、パーツに分けると意外とシンプルで、その構造も似通ってくる。だから、雰囲気でこれはランの仲間だと何となく分かる。
ランの個別の名前については、付け方に一定のルールがあるようだが、説明書きを読んでも全く理解できなかったのでパス。横文字でしかも長く、とても覚えられない。ただ、以下に示した大きな分類(グループ)名であれば、何とか覚えられそうだ。
《 ランの分類(グループ)》
○ カトレア … ランの女王。中南米原産。樹木や岩肌に着生。
○ シンビジウム … 熱帯アジア分布。東洋ラン、春蘭もこの仲間。略称「シンビ」。
○ デンドロビウム … 熱帯アジア分布。種類が多い。略称「デンドロ」。
○ リカステ … 中南米分布。樹木や岩肌に着生。花は三角形で幾何学的。
○ オンシジウム … 熱帯・亜熱帯アメリカ分布。花は、群れるように咲く。
○ パフィオペディラム …熱帯・亜熱帯アジア分布。袋状の花弁が特徴。
○ ファレノプシス …東南アジア分布。鉢花として広く流通。「胡蝶蘭」など有名。
○ バンダ …東南アジア分布。大輪、紫青色のヒスイランが有名。
○ シンビジウム … 熱帯アジア分布。東洋ラン、春蘭もこの仲間。略称「シンビ」。
○ デンドロビウム … 熱帯アジア分布。種類が多い。略称「デンドロ」。
○ リカステ … 中南米分布。樹木や岩肌に着生。花は三角形で幾何学的。
○ オンシジウム … 熱帯・亜熱帯アメリカ分布。花は、群れるように咲く。
○ パフィオペディラム …熱帯・亜熱帯アジア分布。袋状の花弁が特徴。
○ ファレノプシス …東南アジア分布。鉢花として広く流通。「胡蝶蘭」など有名。
○ バンダ …東南アジア分布。大輪、紫青色のヒスイランが有名。
俳句では、既述の通り、「蘭」は秋(もしくは夏)の季語だが、ラン科の植物では、カトレヤ(冬)、春蘭(春)、鷺草(夏)、寒蘭(冬)という季語がある。洋蘭では、カトレヤだけしか季語になっていないが、これは、日本に自生せず、季節感がなく、名が長いなどの理由によると言われている。
参考句に関しては、少しイメージは違うが、春蘭の句を選んでみた。
【春蘭の参考句】
春蘭や雑木未だ日を遮らず (山口青邨)
春蘭や香炉けむりを忘れけり (日野草城)
春蘭のむらさきひとつ石に咲けり (水原秋櫻子)
春蘭のふかみどりなる雲の冷え (飯田蛇笏)
春蘭や人去りぎはのさびしさに (中村汀女)